ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どっちがいいの?

矯正治療を検討するなかで、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で迷う方が多くいらっしゃいます。
そこで本コラムでは、それぞれの特徴をふまえ、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。見た目や痛みだけでなく、費用や治療期間などさまざまな視点から整理しているので、後悔しない選択をするためにも、ぜひご参考にしてください。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
ワイヤー矯正は、軽度から重度までの幅広い歯列不正に対応できる治療方法です。歯のねじれや重なり、前後左右の大きなズレなど、複雑な歯並びにも対応可能で、骨格的な問題を含む難症例でも治療が行える点が大きな特徴です。
特に、歯を動かす力の調整幅が広いため、細かい歯の移動や噛み合わせ全体の調整が必要なケースにも対応しやすいのが特徴です。
そのため、矯正治療では多くの症例において、最初に検討されることの多い治療法といえるでしょう。
以下でワイヤー矯正のメリット・デメリットについてまとめました。
比較項目 | メリット | デメリット |
見た目 | 裏側矯正を選べば装置が目立ちにくい | 表側矯正では装置が目立ちやすい |
快適さ | 治療に慣れれば日常生活に支障なく過ごせる | 装置が粘膜に当たり、口内炎や違和感が生じやすい |
管理のしやすさ | 装置が固定されており、装着時間などの自己管理が不要 | 清掃が難しい部位があり、虫歯リスクがやや高くなる |
調整の自由度 | 微調整がしやすく、希望する仕上がりに近づけやすい | 通院頻度が高めで、調整時に痛みをともなうことがある |
ワイヤー矯正を選択する場合は、見た目や痛みのデメリットを理解して取り組むことが大切です。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
マウスピース矯正は、軽度から中度の歯列不正に適した治療方法です。前歯のガタつきやすき間、軽度の出っ歯・受け口など、比較的シンプルな歯並びの乱れに対して効果を発揮します。
ただし、歯の移動に限界があるため、大きなズレや骨格に起因する不正咬合などの重度症例には対応が難しい場合があります。
マウスピース矯正単独で対応できないケースでは、ワイヤー矯正との併用や、別の治療法の検討が必要になることもあります。
以下はワイヤー矯正のメリット・デメリットについてまとめた表です。
比較項目 | メリット | デメリット |
見た目 | 透明で目立ちにくく、装着していても気づかれにくい | 一部の症例で、アタッチメントが目立つこともある |
快適さ | 違和感や痛みが少なく、口内炎のリスクも低い | 慣れるまで装着時に話しづらさを感じる場合がある |
管理のしやすさ | 取り外しができ、食事や歯磨きがしやすい | 1日20時間以上の装着が必要で、自己管理が求められる |
調整の自由度 | 通院頻度が少なく、自己交換で進められる | 微調整や歯の移動には限界がある |
マウスピース矯正を選択する場合は、ご自身の口腔内の状態が適していることを確認のうえ、自己管理を徹底することが大切です。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の治療期間・費用
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の治療にかかる期間と費用についてご紹介します。
矯正方法 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
治療期間の目安 | 全体矯正:2~3年
部分矯正:3か月~1年半 | 全体矯正:1年半~3年
部分矯正:2か月~1年半 |
費用目安 | 全体矯正:60~170万円
部分矯正:15~70万円 | 全体矯正:60~100万円
部分矯正:20~45万円 |
通院頻度 | 1か月に1回程度 | 1か月半~2か月に1回程度 |
歯列矯正にかかる期間や費用は、歯並びの状態によって大きく異なります。ワイヤー矯正・マウスピース矯正のどちらでも改善が見込める状態ならば、無理なく治療を終えられるよう、期間や費用の面でも検討することが大切です。
当院では健康な心身づくりのために、患者さま一人ひとりに最適な矯正方法をご提案しております。矯正治療をご検討中の方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
Q1:ワイヤー矯正とマウスピース矯正、保険適用で受けられるのはどちらですか?
A1:どちらも自由診療のため、保険適用外となります。
Q2:矯正方法によって、治療終了後の保定の違いはありますか?
A2:ありません。どちらもリテーナー(保定装置)による保定が必要です。

